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涌井投手 [スポーツ]

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 西武ドームにて西武対日本ハム戦を観戦した。今日は、西鉄で活躍した稲尾和久投手の背番号24が永久欠番になったことを記念してのメモリアルゲーム。西武の先発は菊池雄星君だ。彼をはじめ、全選手が背中に24を付けてグランドに立った。西鉄を知らない私にはピンとこないが、稲尾は並外れた功績を残した偉大な投手だったのだろう。とにかく、非常にコントロールのいいピッチャーだったという。
 私は'86年ごろから年に2、3度は西武球場に足を運んできた。熱心なファンとはいえないが、これまで、日本シリーズ優勝を果たした強い西武、クライマックスシリーズに残れなかった西武などを、生粋の西武ファンである友人K君とともにつれづれに応援してきた。その中で、気に入った選手が現れる。特に'80年代の西武には、清原や秋山、石毛、デストラーデなどひときわ輝きを放つ選手が多くいた。'90年代の投手では松坂。そして近年では、松坂の後を継ぐ、同じ横浜高校出身の涌井秀章投手に注目している。
 涌井はデビューの年こそ成績は悪かったが、2年目以降は2ケタの好成績を残し続けた。特に松坂が抜けたあとの2007年は17勝を挙げている。2009年に開催されたワールド・ベースボール・クラシックの日本代表に選ばれるなど、実力と実績のある選手といっていいだろう。
 実のところ私は、涌井が変化球主体の技巧派なのか、速球派投手なのかはよくわからない。スライダーが得意ではあるが、要所ではストレートで三振を取れる力を持つ。とにかく、打たれても勝負に挑む姿勢がゆるがない点を買っている。横浜高校時代のことはよく覚えていないが、プロデビュー当時から、いわゆるポーカーフェイスであり、勝っていても負けていてもまったく表情を変えない。それは投手に必要な心がけだが、これほど徹底している投手も珍しい。
 今日、私とK君は3塁側レフト横の最前列に座った。そこはブルペンに面した席だ。3、4mほどの距離で投手がピッチング練習をする。試合前は菊池君が投げた。ブルペンの彼は変化球のコントロールが多少荒れているように見えたが、実戦ではうまく投げていた。私は試合内容よりも、目の前にいる西武のピッチャーの姿が気になった。3回を過ぎたころ、涌井が現れて投球練習を始めた。以前に比べ、驚くほど身体が締まっている。一昨年あたりからだろうか、顔が小さく見えるほど肉が付きすぎて、ちょっと心配していた。
 涌井が投げる球は、ほかの投手とは違って見えた。その理由は、彼の投球フォームにある。私の目には、無駄のない非常にバランスの取れた動作に見える。構えからフォロースルーまで滑らか。この点は松坂以上であり、ほかの投手と一線を画す。その腕から繰り出す球は、まったく威力を変えずに捕手のミットに到達する。この投手はやはり先発の仕事が似合う。後半は中継ぎの長田も投げていたが、長田の投球スタイルには緩みがあり、緩みや遊びを持ちつつ、ここぞというときに締めるという具合に見えた。一方の涌井は、緩みや遊びがない。初めから終わりまで一定のクオリティーを保ち、一連の動作に統一したバランスがあり、緊張が持続する。これは先発投手、つまりエースならではの資質といえるだろう。
 今年の涌井は、開幕戦から3連敗し、その後週刊誌に女性問題を突かれ、早々に登録を抹消。これまでいいところがなかった。6月復帰後は、人材不足のチーム事情のほか球団の意向もあってか、予想もつかなかった抑えに回される。本来先発の役割を担うはずの本人にとっては辛抱のシーズンになった。ブルペンで涌井は、試合展開によってときどき投げ込みを行い、肩をつくっていった。その間も彼はまったく表情を変えない。無表情で時折試合の行方を見つめるが、その流れさえ意識にないようにも見える。投手はストイックな存在だとわかってはいたが、彼のたたずまいを見ているとその思いがますます強くなった。西武のユニフォームを着てはいるものの、なんの支えもつながりももたない孤独な存在。呼ばれたら投げる。ただそれだけのために彼はここにいる。
 プロ野球選手はいってみれば野球界のエリートだ。日本中にいるたくさんの野球選手、あるいは野球選手に憧れる人々の頂点に立つ。勝負の世界では、そのひとにぎりのエリートでさえ、思うように成績を上げられない。その厳しさが緊張感となって常にグラウンドを貫いている。
 試合は3点ビハインドから同点へ。そして延長戦となり、涌井はブルペンの扉を開け、マウンドへ向かって静かに歩いて行った。その後ろ姿は淋しげでさえある。プロ野球という名の華やかさとは無縁だ。いま目の前で投球練習をしていた一人の孤独な投手が大観衆に迎えられながら、マウンドに立つ。西武ドームの大空間に、これまで味わったことのない憧憬のようなものが漂っているのを感じた。

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石川 遼選手 [スポーツ]

 男子ゴルフの日本オープンテレビで観る。昨日の第3ラウンドの石川 遼選手のプレーはすごかった。アプローチショット、ロングパットがことごとく決まり、自信に満ちた攻めのプレー。池ポチャからのバーディーは象徴的だった。しかし、好調は持続しないのがスポーツの常だ。まして、日本オープンというプレッシャーもある。本人も語っていたが、4日目はそううまくはいかないだろうと思っていた。追い上げてきて、彼に並ぶ選手が当然現れる。それがだれなのか、注目していると、先行のホールでプレーする小田龍一選手が映し出された。集中しながらもリラックスする小田は、いい表情をしている。プレーの好調さゆえなのだろう。ふるまいが違って見えた。先にホールアウトした小田が6アンダーで単独首位に立つ。
 結局、最終組の石川と今野、小田の3人によるプレーオフとなる。昨日単独首位に立った石川、堅実にスコアをつみ上げた今野、波に乗る小田という顔合わせ。しかも、プレーオフは1度で決まらず、2度行われた。18番ホールの難コースでの接戦に、観ているこちらがしびれる。いずれが優勝してもおかしくない展開は、小田の逃げ切りで幕となった。
 今回のプレーオフで、石川のパットは2度カップに蹴られた。ボールがあと1cmカップに寄り、いずれかのパットが決まっていたら彼の日本オープン最年少優勝が実現していただろう。「たられば」を言っても仕方がないが、強い向上心をもつ、攻撃型の石川を勝たせたかった。絵画も同じで、「守り」に入ると、作品の生命力は失われる。「仕上げ」を意識した瞬間に、無駄な筆を入れ始めるのだ。最後までアグレッシブに、という石川選手の意識は大切だ。
タグ:石川 遼
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