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山崎阿弥の個展「マイビークル|ホワイト カラード ブラックホール」 [ART]

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 連休の最終日、ぎゃらりー由芽で山崎阿弥の個展「マイビークル|ホワイト カラード ブラックホール」を見る。
 三角形の紙を中央で折り、鳥の羽根のように密集させた作品。DMを見たときは石膏のようなものだと思っていたが、実際には紙だった。コピー用紙やトレーシングペーパーなど数種類の紙を用い、手でちぎって貼り込んでいる。木製のフレーム内に植えられたたくさんの羽根。あるいは動物の体毛のようにも見えた。
 羽根は反復や並列的な同一性としてミニマリズムに通じる。例えば、草間彌生のInfiniteシリーズのように。しかしこの羽根はそれに収まらず、なにかに翻弄されるかのように波打っている。そして、その動きを氷結で固めてしまったかのようだ。
 ここにあるのは、情動か、閉じ込められた動物のエネルギーか、それとも永久に波打つ草原のような風景だろうか。作品は見る者を引きつける力を備えており、私は無限に続く恒久性を感じた。一つひとつの羽根は絵画でいえば、筆のタッチにあたるのかもしれない。だが山崎のタッチは、見る者との対話を拒絶しているように思える。前述したように、動きを封じ込めてしまっているからだ。木のフレームで囲われたそこだけ時間が止まっている。いや、止めることで永遠を手に入れたのか。
 個展のタイトルからすると、作家は私の見立てとはまったく別の地点から本作を出発させていることは明らかだ。もしかしたら、この羽根で世界を覆いつくしたい欲望にかられての行為かもしれないし、おそるべき攻撃性を埋め込んでいることも考えられる。一つだけ確かなのは、この世界には想像を超えた「風」が吹いているということ。根拠なく、あらゆる方向から吹く風。それは地上だけとは限らない。宇宙空間や動物の体内であっても同じだ。
 作家とは会わなかったため、言葉はなく、吹き荒れる風にざわめく羽根を感じながら画廊を後にした。密かに、出色の展示だったと思っている。


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