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宇宙開発 [生活]

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 朝日新聞に若田光一さんのインタビュー記事が掲載されていた。その中で、記者の「そもそも、人が宇宙に行く意味とは何か?」という問いに対して彼は、「種の存続として避けられない道、危機管理」と答えた。これは興味深い回答だが、疑問もふつふつと湧いてくる。この先、人間が生き延びるためには宇宙空間や月という地球以外の場が必要であるという認識。同じようなことは、以前から米国の宇宙開発者が語ってきた。今後の人口増加を考えても人類は地球上だけでは生存できない、あるいは、地球環境に異変が起きた場合の危機管理(逃げ道)だという。彼らは宇宙を、人類が進化するうえでの当然の行き先として捉えているらしい。
 私はこの考え方には賛成しかねる。地球上に住む膨大な生物の中で宇宙を必要としているのは、たぶん人類だけだろう。どんな理由があるにせよ、あれほど苛酷な、およそ生物の生存に一番不向きな場所にわざわざ行く必然性が本当にあるのだろうか。体を張って取り組んでいる若田さんには悪いが、宇宙開発は科学実験程度にとどめていただきたいと思う。できれば、衛星を含め、宇宙空間に人工物やゴミを勝手に浮かべてほしくない、月面に建物など建てないでほしい、というのが本音だ。
 私は、真空で高温の宇宙空間に作られた建造物に居住するなど、考えただけでも息苦しくなる。そこは、ペンペン草どころか、水も空気もない世界なのだ。生存環境は万事用意すると言われても、私は辞退する。人間の作ったモノをそこまで信用する気にはとうていなれない。なにかあっても、足下に地面が、そして重力がないのだから。たとえ月であっても同様だ。
 宇宙にある宇宙船や建造物においては、わずかな穴でもあれば致命的なことになる。決まったレールの上を走る中央線でさえ、信号機故障だの、変電所トラブルだのといってしょっちゅう止まる。もしかしたら、その回数は昔よりも増えているのではないだろうか。未来の人間がいまよりも注意深く、危機管理に優れた存在になるとは限らない。仮に科学技術が途方もなく発達したとしても、人間の管理能力はいまと大して変わらないだろう。
 宇宙開発者は、ヒトが自然の円環から抜け出しても生きていけると思っているらしい。ヒトも自然の一部にすぎない。自然という環境があればこその生物だ。そもそも宇宙開発者は、いまの地球に山積する人間の諸問題をどう考えているのだろう。宇宙に行けば行ったで、想像を超える新たな問題がきっと現れる。その課題を克服して進むのが人類だというのであれば、それは大きく間違っている。人類は地球環境があったからこそ、問題をしのげたのだと思うのだ。決して科学があったからではない。宇宙開発よりも、まずは地球環境の保全だ。山本夏彦氏が著書の中で語った言葉。「何用あって月世界へ? ——月はながめるものである」。
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